
寒さでできる「しもやけ」(凍瘡)は、手や足の指に起こりやすく、感覚が鈍くなったり血のめぐりが悪くなったりすることがあります。
この症例では、温灸という伝統的な温かい刺激を使った治療を行い、しもやけのあった部分の血流や感覚が改善するかを調べました。
20代の女性の方が、週に1回、1日に2回ずつ、合計10回の温灸治療を受けました。治療には安全に配慮し、やけどを防ぐ工夫も行いました。
治療の前後で、皮膚の色や熱さの感じ方を記録したところ、赤や紫っぽかった皮膚の色が肌色に近づき、温かさを感じるようになったことがわかりました。
このことから、温灸はしもやけの後遺症として残る感覚の鈍さや血行不良の改善に役立つ可能性があると考えられます。
今後は、より多くの方で効果を確かめることや、熱さの感じ方を客観的に測る方法の開発が必要です。
この研究は、しもやけに悩む方の生活の質向上に貢献できることを期待しています。
当院では、今後も継続して症例を重ね、より多くの方に温灸の効果を届けられるよう努めてまいります。
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